大変遅くなり申し訳ありません…。途中に弁護士事務所に行くなどいろいろあり…笑
再度TAMAの研究を続けています!
TAMAの研究をしていて「一貫しているなぁ」と感じているのが「振動を妨げずに鳴りを追及する」というTAMAさんの姿勢です。それがこの年代でも表れています。
1990年、テーマは「セルフィッシュ」

この年は「セルフィッシュ」、思うがままに、あるがままに、をテーマにしています。
グランスターカスタム、ロックスタープロやロックスも登場
ドラムセットの新たな変化は以下です。
- アートスターⅡが再び3種類の材に。バーズアイメイプル(メイプルをバースアイメイプルで挟み込んでいる)、メイプル、コルディア。シックネスシェル(詳細不明)を採用。
- グランスターカスタム登場(ハイテンションラグ、バーチ8プライ)
- ロックスタープロ(ハイテンションラグ、シナ材とアピトン材)が登場。
- ビギナー向けのロックス(アピトン材9プライ)も登場。
スネアがフープまで充実
フープが5種(ダイキャスト、ベルブラス、スチール、ブラス、メタル)から選べるようになりました。ラグも設置面積の多い物から少ない物まで5種程度選べるようになっています。スネアの緩みどめもラインナップし、細部へのこだわりが見受けられます。
スネアにプロカスタムがラインナップ。材は以下の4種です。
- バーズアイメイプル
- カーボンファイバー
- 単板メイプル
- ローズウッド
11テンションラグはバーチで健在でした。バーズアイメイプルスネアも多種存在し、9プライモデルや15プライモデルがありました。
スタンド類の支柱自体が大きく傾く形状が発明
先端だけでなく、パイプ自体を大きく傾けられるスタンド(シンバル、タム)がこの年からラインナップしています。

レバーグライドシリーズのハイハットスタンドが登場。レバーグライドシリーズに採用されているのがリンクモーションシステム。リンクモーションの特徴は以下。
- 従来の約半分の力で踏める
- フットプレートの戻りは従来の2倍の早さ
- トップシンバルをボトムシンバルに強く押し付けることができ、タイトでクリアなトーンを表現
- フットプレートのストロークが長くなり、より微妙な音作り、フットワークが可能
- テンションロッドを固定するチェーンが固定されていないため、真っ直ぐ垂直に力がかかり、摩擦が最小限になる
1991年、テーマは「プライド」
この時も、「サウンドを決定づける最大の要因はシェル自身」と断言しています。ドラムをいかにスムーズに振動させるか、はこれまでもずっとこだわってきているTAMAのテーマです。
TAMAの振動に対する考え方…「タムを手で持ったときとスタンドにマウントした時でサスティーンが大きく異なる。ハードウェアに固定することがいかに振動を妨げているかがよく分かる。」とのこと。
ハードウェアまで振動に対して配慮しており、オムニボールとLロッドにより、より自然な振動とハードなプレイにも耐えられる力を両立してます。
ドラムセットは鳴りの良さ(薄さ)と強度の両立がテーマ
以前よりスーパーTHINシックスネスシェルを開発しており、この年のカタログで改めて言及。鳴りの良い薄さと強度の両立を実現している。
スーパーTHINシックネスシェル…タム類6ミリ、バスドラム9ミリにしてある薄いシェル仕様のこと。
ドラムセットのラインナップは以下。
- アートスターⅡカスタムが登場(バーズアイメイプル)。
- アートスターⅡ(メイプル材のみ)。
- グランスターⅡ登場。
- ロックスタープロ(アピトン材とシナ材を一体化)も登場。
- ロックスターはアピトン材とシナ材をラミネートしているとのこと。
- ロックスタープロとロックスターからエバンスが標準装備に。
カタログ内で、メイプル材について、「硬くてねばりがある」と表現されています。ヤング率が高いということかと思いきや、調べてみると比較的高め、というだけでよっぽどウォルナットの方がヤング率が高い結果。圧縮強度や曲げ強度のバランスの兼ね合いもあるかもしれません。
ヤング率…硬さや変形のしにくさ。
スネアのテーマは「胴鳴り」。その他様々な変化も。
この年のスネアにおけるテーマは「胴鳴り」としています。また、11ラグスネアがより広がって、バーズアイメイプル、スチール、ブラス、バーチとラインナップされています。
ピッコロスネアのラインナップが充実。以下の5種です。
- ベルブラス
- ブラス
- スチール(この年からメタルがスチールと明記されるように)
- バーズアイメイプル
- ローズウッド
以前からラインナップしていたウッドティンバレスが、若干形状を変えてメロタムのような形でティンプトムとして登場。もしかしたらメロタムもTAMA発祥かもしれません。
キックペダルにアンダープレート付きが登場。ウッドビーターも登場。今では見られないような大きめのビーターもラインナップしています。
ドラムヘッドにエバンスが正式にラインナップ。エバンス、レモ、TAMAの3択になりました。シンバルはマイネル一択に変化しています。

1992年、テーマは「リアル」
アートスターⅡカスタム(バーズアイメイプル)がスーパーTHINシックネスシェルになっています。薄さを追及し、振動特性を最大限に生かせる状態になっているようです。
この年のカタログは、ドラムの材の印象について多く言及しています。バーチについて、「メイプルよりややウォーム」と表現しています。今は「メイプルよりややダーク」と表現されるイメージなので、なかなか意外な表記でした。»イシバシ楽器(外部サイト)
このカタログにある材の印象の表記は以下です。
材の名前 | 音の印象 |
---|---|
バーチ | メイプルよりややウォーム |
アピトン | ウォーム |
シナ | タイト |
スネアの決め手はシェル、と断言
カタログ内で、「スネアドラムの決め手はやはりシェル」と断言されています。スチールシェルにスチールと同色のベルブラスフープを装着したモデルも登場。スネアヘッドはレモ、エバンスの2択になっています。
1993年、テーマは「ソリッド」
この年のテーマはソリッド。983年以降、TAMAがこだわってきたのは「薄くて硬い」シェルです。レスポンスと強度を兼ね備えることが目的との事です。
チタンスネアが登場!
この年はTAMAからチタンスネアが登場!また、REMOのヘッドが充実。ピンスト、CS、エンペラーなど様々な種類がラインナップしています。

ハードウェアについて、この年からついにペダル名が「アイアンコブラ」になっています。この時点ですでに「ローリンググライド」「パワーグライド」と分かれて、真円カム、偏心カムの2種類になっている。
ビーターが7種類に。一般的なフェルト等のビーター3種とアイアンコブラ用のビーター種。加えてプラスチック面も使えるデュアルビーターが登場しました。
1995、スタークラシック登場!
スタークラシックシリーズが登場。スタークラシックは「鳴り」にこだわったシリーズで、9プライ5ミリ(バスドラムは7ミリ)と、アートスターよりさらに薄くなっています。
この年から誕生したドラムセットは以下です。
- スタークラシック
- ミドルクラスとしてアートスターES(アピトン材、バーチ)
- ビギナー用としてロックマスター(アピトン材、シナ材の9プライ)
この年からアートスターカスタムも新バスドラムスパーと亜鉛ダイキャストフープ(スターキャストフープ)を装備。グランスターカスタムも同様です。
ハードウェアも「鳴り」にこだわる
ハードウェアも鳴りにこだわり、ラグも、響きを重視したスモールラグに変更されました。Lロッドをさらに進化させたスターキャストマウント登場。ロッドはそのしなりによってシェルの振動をより生かしているとの事です。
スターキャストマウントも取り入れて鳴りをよくし、ほどよいテンションキープのため、亜鉛ダイキャストフープを標準装備しています。緩みどめ効果もあるワッシャーも採用されています。
バスドラムスパーも新開発され、メモリー付きになりました。ちなみにこの時期からバスドラムがT字ハンドルからチューニングキー方式になっています。
11テンションラグスネアなどが消える
逆に以下のものがこの年から姿を消しました。
- チタンスネア
- 11テンションラグスネア
- ドラムヘッドのラインナップからレモが消える
ペダルや小物も進化
ペダルに関してですが、スプリングタイトやベアリングを内臓するなど、アイアンコブラがさらに進化しています。特に解説はありませんでしたが、この年からペダルがダブルチェーンになっていました。

そのほかにも、テンションウォッチやバストラムミュート用のクッションなどの小物も充実し始めています。
1996年、変化は少なめ
シェルにはサウンドフォーカスリング(レインフォースメント)を付けるかどうか選択できるようになりました。TAMAでは補強のためではなく、「タイトでふくよかな音抜け」のためを狙いにしています。
この年のその他の変化は以下です。
- この年のアートスターESはマホガニーとバーチ材に。
- ロックスターはマホガニーとシナ材に変更。
- スネアのマウントシステム、スターキャストエアライドが登場。
- スネアにブロンズシェルが登場。
- スネアのラインナップに8インチがなくなる。
1997年、エバンスが現在に近いかたちに
この年、エバンスのドラムヘッドがかなり充実します。バスドラムとスネアドラムでそれぞれ専用のヘッドを作ったのが「ジェネラ」シリーズで、エバンスが初なようです。
ヘッドが1プライ、2プライだけでなく外側に穴の空いたドライシリーズやミュート付きのシリーズ、ゲージ数(厚さ)の違うものやハイドローリックなど現在に近いラインナップになっています。
その他の変化は以下です。
- アートスター ESにカツラ材とバーチ材を使用。繊細でウォームな鳴りが特徴。9プライ約6ミリ(バスドラムは7ミリ)と、スタークラシックに次ぐ薄さに。
- スネアのスチールがステンレススチールに。
- ドラムスローンでスクリュー式を採用。もしかしたらTAMAが発祥かも。
- ドラムスローンはサドルタイプのシートもラインナップ。
- シンバルスタンドは、ブームとストレート、どちらにもなるタイプのスタンドがラインナップ。
1998年、ハイハットスタンドの2脚タイプを発明!
ツインペダルにより良く対応すべく、ハイハットスタンドの2脚タイプが発表されます。これも今では当たり前ですが、TAMAが発祥です。
その他の変化をまとめました。
- アートスターESはカツラ材がメインでバーチを外側に、という表記に。カツラ材はメイプルに特性が似ているとのこと。
- ハンドハンマードスネアが3種類(コパー、ブロンズ、アルミ)登場。ハンマードの印象についてはややダークでドライ、としている。
- TAMAではアルミスネアは初登場。
- アイアンコブラが概ね今のデザインに。ベルトのシリーズも登場。
- 数年前からトレーニング用のドラムも登場していたが、形状がかなり現在に近い形に。薄いパットを各太鼓にアドオンする形。シンバルも。消音には以前からかなり力を入れ続けていた様子。
1999年、スネアにシグネイチャーモデルが登場
スネアにシグネイチャーモデルが登場します。ケニー・アロノフ、ビル・ブラフォード、サイモン・フィリップスの3名のラインナップです。
その他の変化は以下です。
- グランスターの流れを組み、バーチ材を使ったスタークラシックパフォーマーが登場。8プライ6ミリ厚(バスドラムは7ミリ厚)と、プライ数の割に薄い形状に。
- アートスターESがフィリピンマホガニーの内側にバーチをラミネートした形状に。
- スネアにもバーチ9プライのスタークラシックパフォーマーが登場。
TAMAは強さと鳴りの両立にこだわっていた
シェルを薄くしつつ強度を保ち、鳴りの良さにもこだわる、これをより一層突き詰めていたのが1990年代でした。
また、以前と変わらずたくさんの発明をしていたのにも驚きました。ツインペダル対応のハットスタンド2脚スタイルはTAMA発祥だったんですね…!
個人的には11テンションラグにめちゃくちゃ興味が湧きました!再販して欲しい!!
ようやく次は2000年代です。次で最後にできるかな…笑
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